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DCMTKを学ぶ - [pdf2dcm] dcmdata: a data encoding/decoding library and utility apps -

DCMTKを学ぶ - [pdf2dcm] dcmdata: a data encoding/decoding library and utility apps -

PDFファイルをDICOMファイルとしてカプセル化します。
説明を飛ばしてやり方だけ知りたい方は、ページ最後を参照ください。

説明

 pdf2dcmユーティリティは、PDFファイル(pdffile-in)を読み取り、DICOM Encapsulated PDF Storage SOPインスタンスに変換し、変換されたデータを出力ファイル(dcmfile-out)に格納します。

コマンドラインインターフェースからの基本的な使い方


>pdf2dcm [options] pdffile-in dcmfile-out
  • pdf2dcm :コマンド
  • [options] :オプションを指定するデフォルト位置
  • pdffile-in:入力されるPDFファイルのURI/URL 
  • dcmfile-out:出力されるdcmファイルのURI/URL

一般的なオプション


(左:省略記載、右:略なし記載)
  -h    --help
          この機能のヘルプを表示します

 --version
          この機能に必要なライブラリを含めてバージョンを表示します

 --arguments
          コマンドライン引数を拡張します

  -q    --quiet
          クワイエットモード。エラーやワーニングを表示しません

  -v    --verbose
          詳細モード。詳細ログを表示します

  -d    --debug
          デバッグモード。デバッグ情報を表示します

  -ll    --log-level  [l]evel: string constant (fatal, error, warn, info, debug, trace)
         ロガーレベルを指定します

  -lc   --log-config  [f]ilename: string
          ロガーにコンフィグファイルを指定します。

DICOMドキュメントオプション


burned-in annotation:

  +an  --annotation-yes
         PDFには患者識別データを含めます(デフォルト)

  -an  --annotation-no
         PDFには患者識別データは含めません

document title:

  +t   --title  [t]itle: string (default: empty)
         文書のタイトル

  +cn  --concept-name  [CSD] [CV] [CM]: string (default: empty)
         コーディングスキーム指定子CSD、コード値CVおよびコード意味CMを伴う概念名コードシーケンスとしての文書タイトル

patient data:

  +pn  --patient-name  [n]ame: string
         DICOM PN(パーソンネーム) syntaxの患者名

  +pi  --patient-id  [i]d: string
         患者識別子

  +pb  --patient-birthdate  [d]ate: string (YYYYMMDD)
         患者の生年月日

  +ps  --patient-sex  [s]ex: string (M, F or O)
         患者の性別

study and series:

  +sg  --generate
         新しいスタディとシリーズUIDを生成する(デフォルト)

  +st  --study-from  [f]ilename: string
         DICOMファイルから患者/スタディデータを読み込む

  +se  --series-from  [f]ilename: string
         DICOMファイルから患者/スタディ/シリーズデータを読み込む

instance number:

  +i1  --instance-one
         インスタンス番号1を使用する(デフォルトでは+ seではない)

  +ii  --instance-inc
         増分インスタンス番号(+ seのみ)

  +is  --instance-set  [i]nstance number: integer
         インスタンス番号iを使用する

使用例


サンプルPDFデータ:Microsoft wordなどを使って、任意のPDFファイルを作成します。
ここでは、test1.pdfを使います。

サンプルデータをデスクトップに移動しておきます。
コマンドプロンプトで、次のように入力しました。

>pdf2dcm C:\Users\tatsu\Desktop\test1.pdf C:\Users\tatsu\Desktop\test1

(コマンドの意味)
pdf2dcm :コマンド
なし :オプション
pdffile-in:C:\Users\tatsu\Desktop\test1.pdf
dcmfile-out:C:\Users\tatsu\Desktop\test1

※コマンドとオプションの間、オプションとpdffile-inの間、また、dcmfile-in と dcmfile-outのパスの間には半角スペースを入れてください。

入力後、Enterで実行します。出力に設定しているTESTというDICOMファイルがデスクトップに新規作成されます。


CMD画面

DICOM←PDF


患者名や患者ID、生年月日もオプションで指定するとよりよさそうですね。

以上

Visionary Imaging Services, Inc.
Tatsuaki Kobayashi

コメント

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